君は見たか?この戦いを。

2014.05.10

暖冬とはいえ冬は冬。
屋外に10分もいれば足元から寒さが込み上げてくる。
太陽が顔を出しているが、風の冷たさがそれを忘れさせる。

“寒いのが苦手、だから冬は嫌い"な筆者にとっては
どうしようもなく、たまらない朝。

1月13日、土曜日。

この日、前期リーグ・優勝決定戦が練馬総合Gで行われた。

“前期"という名の通り、本来ならば8月までに行われる大会だが、日程の都合等により先延ばしになり、結局年を越しての開催となった。

優勝への挑戦権を得たのは

  • 中村スポーツ少年団(東部1位)
  • 豊渓バロンビエ(西部1位)
  • 白ふじSC(西部2位)

そして、開二FC(東部2位)の4チーム。

組み合わせは
第一試合が 中村vs白ふじ 第二試合が 開二vs豊渓 となった。

第一試合 中村vs白ふじ

この試合、筆者は見ていないため内容はわからないが、中村が押し気味の展開だったようだ。
ただゴールを奪うまでには至らず、スコアレスドロー。
PK3-1で試合のままの勢いを持ち込んだ中村が決勝進出を決める。

そして開二の試合。
序盤、豊渓の個々の能力の高さに圧倒される。

見事なまでのパスサッカーに翻弄され、思うようなサッカーが出来ない開二は

本来、1人目のDFがコースを限定しながらプレスをかけ、2人目のDFが空いたコースをケアし、パスカットを狙う。
そこでパスカットが出来なければ、2人目のDFはコースを限定しプレスをかける
そして3人目のDFがパスカットを狙う

というようにサイクルしなければならないが、それが出来なかった。

結果、ボールを追い回すだけになり、言うならば"走らされる"ことになった。

ただ幸いなことに豊渓は最後の最後で精度を欠き、決定的なチャンスを作ることが出来ない。
(開二が最後の最後でがんばっていた、ともいえる)

逆にカウンターから開二が決定的なチャンスを作る。

9番が豊渓DFラインの裏に抜け出しGKと1対1に、これはGKの飛び出しが1歩速くカットされる、が、こぼれたボールを10番がワンタッチで無人のゴールに蹴りこむ。

しかし、大きな放物線を描いたボールはゴールを大きく反れ、得点には至らず。

後半、開二はハーフタイムでプレスの修正を謀るも、改善することは出来ず(それだけ豊渓が上をいっていた)
前半と同じようにただ体力を消耗していく。

それでも最後で踏ん張る開二は、10番が抜け出しGKと1対1になる、がこれも決まらず。
このままPKか、と思われた39分、試合を決める1点が入る。

左サイドに開いてボールを受けた開二10番が、深い位置まで突破し、中央に切れ込む。
しかし体を張って死守する豊渓DFの前にシュートを打てず
ただ豊渓も10番からボールを奪うことが出来ない。

ゴール前は混戦状態に。

そして一瞬、10番の足元からボールが離れる。
そこに走りこんだのは8番。

至近距離から強烈なシュートを放ち、ネットを破らんばかりの勢いで、ボールはゴールに突き刺さった。

1-0。

ボールを追うことすら出来なくなっていた開二の選手達だが、この1点で息を吹き返し、残り時間、目一杯走っていた。
そして試合終了のホイッスル。

耐えに耐えた開二が決勝進出を決めた。

決勝に先駆けて行われた3位決定戦は。。。ここでは割愛する。
(というか見ていないのでわからない)

決勝、中村vs開二

同じ大会で3度も顔を合わせることになると誰が予想しただろうか。
1度目はグループリーグで、2度目は東部の決勝戦で。
(ちなみに2-3、1-2でともに開二は敗れている)
“WBCじゃあるまいし"などと思っていたが、"でもWBCは最後で日本は韓国に勝ったよな"と、良いように日本と開二をダブらせる。
3度目の正直?それとも、2度あることは3度ある?
答えは前者だった。

序盤、豊渓戦のVTRを見ているかのような展開で、中村が圧倒的に試合を支配する。
しかも豊渓戦と違い、開二はカウンターすら仕掛けられずにいた。
というのも、ボールを奪ったあと、MFやFWの選手が、ことごとく1対1で負けてしまい、繋ぐどころかまたすぐに中村のボールになってしまうからだ。

クリアも中村のプレスが激しい中でのクリアのため、しっかりボールを蹴ることができず、中途半端なキックになり
、それもまた中村の選手に拾われる、という状態。
ただそれでもやはり開二のDFは慌てることなく"我慢"していた。

元々開二は、スタートが悪い。
序盤から圧倒的に攻める、という展開は殆どない。
意図的に"相手の出方を見ている"わけではなく、"スロースターター"という言葉が当てはまる。

逆に、今まで常にそういう試合をしてきているため、決勝でも慌てることなく対処できたのではないかと思う。
よく考えれば直前の豊渓戦もそうだったのだ。

選手達にとっては
“ああ、また最初攻められてるよ、やれやれ"
といったくらいの感覚だったのかもしれない。

しかしその後慣れてきたとはいえ、オフェンスに関しては思うようにいかない時間が続く。

その原因を1つ挙げるとすると、サイドへの展開だ。

ボールが横に動くことで相手のマークやポジショニングがずれるのだが、開二はボールを縦に動かすことしかしていないため、相手に"ズレ"を生じさせることが出来なかった。
つまりは"相手が守りやすい状況"を自分達で作ってしまっていたのだ。

そんな中、前半終了間際、思わぬ形で得点が生まれる。

トップの位置から左サイドに流れていた11番にボールが渡り、コーナー付近まで持ち込む。
そのままシンプルにクロスを挙げペナルティエリアに走りこんだ9番にボールが渡る。
しかし9番はシュートを打つことが出来ず、それでもなんとかボールをキープした次の瞬間、反則を表すホイッスルが鳴り響き主審がペナルティスポットを指す。

PK。

ベンチからの角度では何があったか全くわからなかったが、どうやら中村のDFが9番のシャツをあからさまに引っ張っていたらしい。
後から9番に聞いた話では"オレがファウルしたのかと思った"という本人ですらわからなかった反則だが、あれだけ自信をもって笛を吹いたのだ。
主審にははっきりと見えていたのだろう。

このPKを10番がきっちり(?)決め1-0。
何故"?"がつくかというと、どうやら"狙った所とは違う所"に行ったらしい。
しかしそれでもゴールはゴール。
劣勢の開二が先制点を挙げ、直後に前半終了。

後半、ハーフタイムで主にサイドへの展開について話し、選手の意識を横に持たせた。
更には、それをよりはっきりさせるため、これまで左サイドにいた10番をトップにおき、11番を左サイドに出した。
効果覿面、とまではいかなかったが、ある程度サイドに意識が出始め、ボールを横に動かせるようになった。

その後、開二が攻める時間も増え一進一退の攻防が続く。

“もうすぐ後半14分、前回追いつかれた時間だな"と思ったその時、右サイドを10番と8番のパス交換で崩し、8番がゴールに突進。
しっかりしたシュートは打てなかったがボールが逆サイドにこぼれる。
そこに詰めていた11番が得意の左足を振りぬき、勝利を確信する2点目を決めた。

2-0。

この2点目が選手達の緊張を解き、それでいてより集中力を高めさせ、運動量が増えることになる。

そして。。。

試合終了のホイッスル。

開二史上初、念願の公式戦トップチーム優勝。。。
(オフサイドの笛を勘違いしてフライングした方々もいましたがw)

1993年9月に開二FCが発足して以来、地域大会、低・中学年が優勝したことはあった。
が、トップチームは優勝とは無縁。

過去に2度(全日本大会予選とさわやか杯)決勝に進んだが、ともに敗れ2位。
今年のチームに限っては、全日本・さわやか杯ともに1回戦敗退。
いいサッカーはしている、が、勝てなかった。

そんな中での優勝。
しかも2試合とも失点0というのが何より誇らしい。

もしかすると、4チームの中で開二が一番"下手"だったかもしれない。
ただその代わり一番"飢えていた"のだろう。

勝利への飢え、優勝への飢え。

“想いが技術を上回ることもある"

まさにその通り。

お見事。その一言に尽きる。

勝利後、喜びを共有している輪の中から外れ、距離を置いてその光景を眺める。
選手達も、父も母も、コーチ達も、みんな良い顔をしていた。

“あぁ、やっとか。よかったなぁ。。。"

そして

“う、寒っ。。。"

風の冷たさに改めて気づく。

それが筆者を冷静にさせ、次の目標へと想いを切り替えさせた。

“さて、次は区民大会かぁ"

1チームしか得ることの出来ない、前期・後期W制覇への挑戦権。

“やるからには優勝だよね、やっぱ"

嫌いなはずの"冬の寒さ"が、この日だけは心地よかった。

応援に来てくださったご家族の方々、引率の方々、OB、現部員、コーチ達、そして選手達。
みなさんおめでとうございます&ありがとうございました。

前述の通り、区民大会も残っており、再び、優勝するチャンスがあります。
まだまだ、開二のフットボールは続くので、今後もよろしくお願いします。

あとがき

自分は書きません、といっておきながらも書いてしまう自分が情けない(何回目だ
色々思い出しながら書いていたので5時間くらいかかっちゃったし。
でも優勝なんて滅多にないからいいよね、なんつって。

んで、今回はいつもとスタイルを変えてみました。
気づいたあなたはすごい!偉い!よっ!大統領!
まぁ具体的に"どこが?"て言われたら困りますけど。
“見るんじゃない、感じるんだ!"てことです。

それにしても。。。疲れた。。。
何がって、試合じゃなくてこの記事書くのが。。。

↑でも書いたけど5時間ですよ?5時間。
原稿料を下さい、と言いたくなってしまいます。

“好きでやってるのに何を言うか"と怒られてしまいそうですが。
まぁ言うだけで実際いらないですけど。

“優勝"ていうものを先払いで頂いてるしね。

だから選手達には

“おめでとう"

というよりも

“ありがとう"

といったほうがいいのかもしれません。

最後に。

試合に来れなかった方々が、今回のこの記事を読んで、ちょっとでも現場にいた気分に

ちょっとでも幸せな気分になれたら。。。

嬉しいなぁ。。。